とび・土工工事業の建設業許可について徹底解説!

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とび・土工工事業の建設業許可について徹底解説!

日付:2022年12月12日
カテゴリ:建設業の基礎知識

とび・土工工事業とは

建設工事は建設業法上29(2つの一式工事と27の専門工事)に細分化されており、工事をするには工事業種ごとにそれぞれの許可を取得する必要があります。

例えば、道路の舗装工事をする場合には舗装工事業、建物の内装仕上げを行う工事をする場合には内装仕上工事の許可が必要です。

では、とび・土工工事業はどのような工事をするときに必要になるのでしょうか。

 

大まかに分類すると次の5つの工事です。さらに(イ)~(ホ)それぞれ詳細に分類されます。

 

(イ) 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事
(ロ) くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事
(ハ) 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
(ニ) コンクリートにより工作物を築造する工事
(ホ) その他基礎的ないしは準備的工事

足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事とは

とび工事
ひき工事(家などの建造物を形状を変えず移動する工事)
足場等仮設工事
重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事
鉄骨組立て工事 ※注1
コンクリートブロック据付け工事 ※注2

・既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負う工事は『とび土工』。

・鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負う工事は『鋼構造物工事』における鉄骨工事

・コンクリートブロック据付け工事とは、根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事等

・建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は擁壁としてコンクリートブロックを積み、又ははり付ける工事等は『石工事』に該当

・コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等は『タイル・れんが・ブロック工事』に該当

 

くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事とは

くい工事 くい打ち工事
くい抜き工事 場所打ぐい工事

 

土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事とは

土工事 掘削工事
根切り工事 発破工事
盛土工

 

コンクリートにより工作物を築造する工事とは

コンクリート工事
コンクリート打設工事
コンクリート圧送工事
プレストレストコンクリート工事 ※注3

・橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は『土木一式工事』に該当

 

その他基礎的ないしは準備的工事とは

地すべり防止工事 地盤改良工事 ※注4
ボーリンググラウト工事 土留め工事
仮締切り工事 吹付け工事 ※注5
法面保護工事 ※注6 道路付属物設置工事 ※注7
屋外広告物設置工事 ※注8 捨石工事
外構工事 はつり工事
切断穿孔工事 アンカー工事
あと施工アンカー工事 潜水工事

・地盤改良工事とは、薬液注入工事、ウエルポイント工事等各種の地盤の改良を行う工事の総称

・『とび・土工・コンクリート工事』における「吹付け工事」とは、「モルタル吹付け工事」及び「種子吹付け工事」を総称したものであり、法面処理等のためにモルタル又は種子を吹付ける工事をいう。建築物に対するモルタル等の吹付けは『左官工事』における「吹付け工事」に該当

・法面保護工事とは、法枠の設置等により法面の崩壊を防止する工事のこと

・道路付属物設置工事には、道路標識やガードレールの設置工事が含まれる

・『とび・土工・コンク リート工事』における「屋外広告物設置工事」と『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」の違いについて、現場で屋外広告物の製作、加工から設置までを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」、それ以外の工事が『とび・土工・コンク リート工事』における「屋外広告物設置工事」である

 

 

とび・土工工事業で請け負える工事について

とび・土工工事業で請け負える工事は、上の「1.とび・土工工事業とは」で記載した工事です。

工事内容によって工事区分が変わるのはすでに上記の注釈でも記載した通りで、とび・土工工事に該当するものとそうではないものの判断がとても難しいです。

 

よくある誤解として、例えば

 新築等の建築一式工事ではなく、足場組立工事をメインとして請負う場合は『とび土工工事業』の建設業許可が必要です。(『建築一式工事業』ではない)
 建築工事業(建築一式)や土木工事業(土木一式)の建設業許可を持っていても500万円以上のとび土工・コンクリート工事を請負うことはできません。一式工事と専門工事の許可は全く別物だからです。
 建築工事業(建築一式)や土木工事業(土木一式)の建設業許可を持っていても500万円以上のとび土工・コンクリート工事を請負うことはできません。一式工事と専門工事の許可は全く別物だからです。
トンネル防水工事等の土木系の防水工事は、『とび・土工・コンクリート工事』に該当します(『防水工事』ではない)が、建築系の防水工事は『防水工事』に該当します。
コンクリートブロック積み(張り)工事は、『石工事』と『タイル・れんが工事』と『とび土工・コンクリート工事』に分類されます。
鉄骨工事は、既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負うのが『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」で、『鋼構造物工事』とは分類されます。
プレストレストコンクリート構造物工事は『土木工事』と『とび・土工・コンクリート工事』に分類されます。
地盤改良工事は『とび・土工・コンクリート工事』です。
屋外広告工事は、『鋼構造物工事』と『とび・土工・コンクリート工事』に分類されます。

 

とび・土工工事業の許可取得の申請手続きについて

とび・土工工事業の許可申請にかかる申請費用(法定手数料)

納入方法は、当該都道府県が発行する収入証紙による場合と現金による場合とがあり、都道府県により異なっていますが、概ね収入証紙による場合が多いようです。

例えば兵庫県の場合、収入証紙の準備が必要ですが、大阪府、京都府は証紙廃止となり、クレジットカード払い等が可能です。

申請区分 知事許可 大臣許可
新 規 9万円 15万円
許可換え新規 9万円 15万円
般・特新規 9万円 15万円
業種追加 5万円 5万円
更 新 5万円 5万円

 

他、元請業者としてとび・土工・コンクリート工事を請負い、下請業者に合計4,000万円以上発注する場合は、とび土工工事業の「特定建設業許可」が必要です。

 

とび・土工工事業の許可申請にかかる期間

各都道府県の窓口へ許可取得の申請をしてから、許可通知書が手元に届くまで、知事許可の場合、(都道府県よって異なりますが)1か月以上かかります。

申請書を提出したあとは、行政にて書類審査が行われ、この審査に30~45日ほどかかりますので、許可の取得を急いでいる方は要注意です。

一方、大臣許可の申請から許可がおりるまでには120日ほど要しますので、計画的に申請の準備をすることが必要です。

 

都道府県知事許可申請問い合わせ先一覧(国土交通省HPより引用)

(都道府県知事許可は都道府県知事に提出)

 

都道府県名 主管課 電話番号 都道府県名 主管課 電話番号
北海道 建設部建設政策局建設管理課 011(231)4111 滋賀県 土木交通部監理課 077(528)4114
青森県 県土整備部監理課 017(722)1111 京都府 建設交通部指導検査課 075(451)8111
岩手県 県土整備部建設技術振興課 019(651)3111 大阪府 住宅まちづくり部建築振興課 06(6210)9735
宮城県 土木部事業管理課 022(211)3116 兵庫県 県土整備部県土企画局総務課建設業室 078(341)7711
秋田県 建設部建設政策課 018(860)2425 奈良県 県土マネジメント部建設業・契約管理課 0742(22)1101
山形県 県土整備部建設企画課 023(630)2658 和歌山県 県土整備部県土整備政策局技術調査課 073(432)4111
福島県 土木部技術管理課建設産業室 024(521)7452 鳥取県 県土整備部県土総務課 0857(26)7347
茨城県 土木部監理課 029(301)1111 島根県

 

土木部土木総務課建設産業対策室 0852(22)5185
栃木県 県土整備部監理課 028(623)2390 岡山県

 

土木部監理課建設業班 086(226)7463
群馬県 県土整備部建設企画課 027(223)1111 広島県

 

土木建築局建設産業課建設業グループ 082(228)2111
埼玉県 県土整備部建設管理課 048(824)2111 山口県

 

土木建築部監理課建設業班 083(933)3629
千葉県 県土整備部建設・不動産業課建設業班 043(223)3116 徳島県

 

県土整備部建設管理課 088(621)2519
東京都 都市整備局市街地建築部建設業課 03(5321)1111 香川県

 

土木部土木監理課契約・建設業グループ 087(831)1111
神奈川県 県土整備局事業管理部建設業課 045(313)0722 愛媛県

 

土木部土木管理局土木管理課 089(941)2111
新潟県 土木部監理課建設業室 025(285)5511 高知県

 

土木部土木政策課 088(823)1111
山梨県 県土整備部県土整備総務課建設業対策室 055(237)1111 福岡県

 

建築都市部建築指導課 092(651)1111
長野県 建設部建設政策課建設業係 026(232)0111 佐賀県

 

県土整備部建設・技術課 0952(25)7153
富山県 土木部建設技術企画課 076(431)4111 長崎県

 

土木部監理課 095(894)3015
石川県 土木部監理課建設業振興グループ 076(225)1111 熊本県

 

土木部監理課 096(333)2485
岐阜県 県土整備部技術検査課 058(272)1111 大分県

 

土木建築部土木建築企画課 097(536)1111
静岡県 交通基盤部建設業課 054(221)3058 宮崎県

 

県土整備部管理課 0985(26)7176
愛知県 都市整備局都市基盤部都市総務課 052(954)6502

 

鹿児島県 土木部監理課 099(286)2111
三重県 県土整備部建設業課 059(224)2660 沖縄県

 

土木建築部技術・建設業課 098(866)2374
福井県 土木部土木管理課 0776(21)1111

 

営業所が2つ以上の都道府県にまたがって存在する場合は、国に許可を申請する必要がありますので、申請窓口が変わります。

国土交通大臣許可を申請する場合は、本店の所在地を管轄する地方整備局長等に直接提出します。

 

建設業許可申請先等一覧(兵庫県HPより引用)

兵庫県知事許可業者の提出窓口は、下記の各県民局及び県民センターの土木事務所です。

(大臣許可については、令和2年4月1日以降、直接国土交通省近畿地方整備局(許可行政庁)あてに郵送または持参して提出します。(兵庫県庁を経由しません))

 

各土木事務所 所在地 電話番号 主たる営業所の所管区域

神戸県民センター

神戸土木事務所

建設業課

〒653-0055

神戸市長田区浪松町3-2-5

078-737-2194 2195 神戸市
阪神南県民センター

西宮土木事務所

建設業課

〒662-0854

西宮市櫨(はぜ)塚町2-28

0798-39-1543

1545

尼崎市、西宮市、芦屋市
阪神北県民局

宝塚土木事務所

建設業課

〒665-8567

宝塚市旭町2-4-15

0797-83-3213

3193

伊丹市、宝塚市、川西市、

三田市、猪名川町

東播磨県民局

加古川土木事務所

建設業課

〒675-8566

加古川市加古川町寺家町天神木97-1

079-421-9231

9405

明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町
北播磨県民局

加東土木事務所

まちづくり建築課

〒673-1431

加東市社字西柿1075-2

0795-42-9408

9409

西脇市、三木市、小野市、

加西市、加東市、多可町

中播磨県民センター

姫路土木事務所

建設業課

〒670-0947

姫路市北条1-98

079-281-9566

9562

姫路市、市川町、福崎町、

神河町、相生市、たつの市、赤穂市、宍粟市、上郡町、太子町、佐用町

但馬県民局

豊岡土木事務所

まちづくり建築第2課

[豊岡総合庁舎]

〒668-0025

豊岡市幸町7-11

0796-26-3756 豊岡市、香美町、新温泉町、養父市、朝来市
丹波県民局

丹波土木事務所

まちづくり建築課

〒669-3309

丹波市柏原町柏原688

0795-73-3862

3863

丹波篠山市、丹波市
 淡路県民局

洲本土木事務所

まちづくり建築課

〒656-0021

洲本市塩屋2-4-5

0799-26-3246

3247

洲本市、淡路市、南あわじ市

 

 

 

とび・土工工事業の許可を取るには

とび・土工工事業の許可を取るためには以下の条件をクリアする必要があります。

 

①     経営業務の管理責任者等の設置
②     専任技術者の設置
③     誠実性があること
④     財産的基礎等
⑤     欠格要件
⑥     適正な社会保険への加入

①経営業務の管理責任者等の設置とは、「とび・土工工事業者での役員や個人事業主の経験が5年以上あること」です。

建設業は他の産業の経営とは違う特徴があるので、建設業の経営業務について経験のある者(管理責任者)が最低1人必要であると決められています。

管理責任者とみなされる条件は「会社の役員もくしは個人事業主を5年以上していた人」です。

このような経営経験がある人物を、建設業許可の申請では「経営業務の管理責任者」(略して「経管」)と呼び、建設業許可を取る際の必須条件のひとつとなります。

注意すべきことは、退職などで不在となった場合は許可要件が満たされなくなったとされ、許可は取消しになります。

 

※役員や個人事業主でなくても、とび・土工工事業を営む会社や個人事業主の元で、経営の補佐経験が6年以上ある者がいれば、条件をクリアしたと認められるケースはありますが(例えば個人事業主の家族など)、認められるかどうかは申請先の行政に確認することが必要です。

②専任技術者の設置とは「とび・土工工事業に関する資格又は10年以上の実務経験があること」です。

とび・土工工事業に関する建設工事の請負契約や履行の確保のためにはその工事に関する専門知識が必要になります。

そのためにとび・土工工事業に関する資格※や経験のある者(専任技術者)が求められます。

この専任技術者は営業所ごとに設置しますが、監理責任者同様、退職などで不在となった場合は許可要件が満たされなくなったとされ、許可は取消しになりますので要注意です。

なお、専任技術者は常勤が条件です。

 

とび・土工工事業に関する資格

(国土交通省HP「営業所専任技術者となり得る国家資格等一覧」参照)

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001447594.pdf

 

とび・土工工事業に関する10年以上の実務経験

(国土交通省HP「複数業種に係る実務経験を有する者」参照)

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000085.html

特定建設業許可の場合は、上記の実務経験だけでなく2年以上指導監督的な実務経験も必要になります。

 

他、指定学科の学歴がある場合は、10年の実務経験が短縮されます。

詳細は後述の「8.とび土工工事業に関わる学歴について」を参照ください。

 

③誠実性があることとは、過去に問題を起こしていなければ大丈夫です。

対象者は、許可申請する法人、個人はじめ営業取引を行う役員等も含みます。

 

④財産的基礎等とは、500万円以上(一般建設業の場合)の資金力が求められます。

500万円以上の自己資本が確認できる財務諸表または資金調達能力があることです。銀行の残高証明で証明することができます。

特定建設業の場合は、資本金2,000万円以上かつ自己資金4,000万円以上などの条件があります。

 

⑤欠格要件に該当していない事が必要です。

欠格要件とは、許可申請書やその添付書類の内容に虚偽等がないことや、許可申請者やその役員等若しくは使用人(支店長など)が欠格要件に該当しないことが求められます。

<欠格要件の例>

・破産者で復権を得ないもの

・建設業の許可を取り消され、その取り消しから5年を経過していないもの

など

 

⑥社会保険に加入していること(法人の場合)

健康保険、厚生年金保険、雇用保険

 

 

とび・土工工事業の許可を取るメリットについて

とび・土工工事業の許可を取るメリットは、500万円以上のとび・土工工事を請け負うことができること、入札で公共工事に参加することができること、会社の信頼性が高まることなどが挙げられます。

 

とび土工工事業の対応資格について

とび土工工事業の専任技術者になるには、前②項の専任技術者で国土交通省の資料を確認することでどの資格が必要なのかがわかりますが、とび・土工工事業に関する内容のみ表にまとめると以下のとおりです。(国土交通省HPより抜粋)

 

1級建設機械施工技士★
2級建設機械施工技士(第1種から第6種)
1級土木施工管理技士★
2級土木施工管理技士(種別は「土木」または「薬液注入」)
1級建築施工管理技士★
2級建築施工管理技士(種別は「躯体」)
技術士:建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)・総合技術監理「建設」(「鋼構造及びコンクリート」を除く)★
技術士:建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理「建設ー鋼構造物及びコンクリート」★
技術士:農業「農業土木」「農業農村工学」・総合技術監理「農業ー農業土木」、「農業-農業農村工学」★
技術士:水産「水産土木」・総合技術監理「水産ー水産土木」★
技術士:森林「森林土木」・総合技術監理「森林ー森林土木」★
技能検定1級『型枠施工、とび・とび工、コンクリート圧送施工、ウェルポイント施工』のいずれか
技能検定2級『型枠施工、とび・とび工、コンクリート圧送施工、ウェルポイント施工』のいずれか(合格後3年以上の実務経験必要)
地すべり防止工事(合格後1年以上の実務経験必要)
登録基礎ぐい工事認定者
基幹技能者『橋梁、コンクリート圧送、トンネル、機械土工、PC、鳶・土工、切断穿孔、エクステリア、グラウト、運動施設、基礎工、標識・路面標示』のいずれか
監理技術者資格者(とび土工)

※「★」が付いている資格は「特定建設業許可」においても認められる資格

 

 

とび土工工事業の実務経験について

とび・土工工事業の建設業許可を取得する際、資格を持っていなくても実務経験があれば許可申請をすることができます。

実務経験は何の工事をどの期間経験すればよいのかは決まっています。

とび・土工工事業の場合、

・土木工事業及びとび・土工工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、とび・土工工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者

・とび・土工工事業及び解体工事業に係る建設工事に関し12年以上の実務経験を有する者のうち、とび・土工工事業に係る建設工事に関し8年を超える実務の経験を有する者

が、実務経験として認められます。

また、その実務経験は書面で証明しなければいけません。

 

証明方法

【許可をもっている企業での勤務経験がある場合】

書類の種類 証明内容、書類名等 備考
被保険者記録照会回答票 ・これまでの年金記で常勤在席の証明

・審査庁によっては取締役として登記されていれば厚生年金保険に加入していなくても過去の常勤を認めるというルールを設けている場合がある

年金事務所で即日発行してもらえる
建設業許可通知書(写) ・建設業許可通知書にとび土工工事業と記載があり、その有効期間中、被保険者記録照会回答票によってその企業に在籍していたことを証明できれば、その期間におけるとび・土工・コンクリート工事の実務経験が認められることが多い

・建設業許可通知書がなくても、行政側が行政内での確認により許可の有無を確かめてくれる場合が多い

専任技術者証明書 建設業許可申請書類

様式第八号 専任技術者証明書

実務経験証明書 建設業許可申請書類

様式第九号 実務経験証明書

指定学科の卒業証明書 学校から卒業証明書を取り寄せる 基本的には原本提出
健康保険被保険者証(写) ・後期高齢者、健康保険証に申請する企業名が記載されていない場合は。健康保険証の写しとあわせて、次のいずれかの書類等により常勤を証明する

✓健康保険・厚生年金保険の標準報酬決定通知書

✓住民税特別徴収税額決定通知書

✓法人の場合は直近の法人税確定申告書における役員報酬明細

✓個人事業の場合は直近の確定申告書

✓被保険者記録照会回答票

✓健康保険組合発行の資格証明書

神奈川県等、一部の審査庁では専任技術者が代表取締役である場合には健康保険証の写しを求めない

兵庫県の場合不要(要確認)

 

【許可をもっていない企業での勤務経験がある場合】

書類の種類 証明内容、書類名等 備考
被保険者記録照会回答票 ・これまでの年金記で常勤在席の証明

・審査庁によっては取締役として登記されていれば厚生年金保険に加入していなくても過去の常勤を認めるというルールを設けている場合がある

年金事務所で即日発行してもらえる
工事請負契約書等 ・とび土工工事業の建設業許可を受けていない企業でも、500万円未満のとび・土工・コンクリート工事については請負い及び施工をすることが可能

・工事請負契約書等を証明する期間通年分用意する

工事請負契約書がない場合、注文書、請書、請求書(通帳で入金確認)等でも証明可能
専任技術者証明書 建設業許可申請書類

様式第八号 専任技術者証明書

実務経験証明書 建設業許可申請書類

様式第九号 実務経験証明書

指定学科の卒業証明書 学校から卒業証明書を取り寄せる 基本的には原本提出
健康保険被保険者証(写) ・後期高齢者、健康保険証に申請する企業名が記載されていない場合は。健康保険証の写しとあわせて、次のいずれかの書類等により常勤を証明する

✓健康保険・厚生年金保険の標準報酬決定通知書

✓住民税特別徴収税額決定通知書

✓法人の場合は直近の法人税確定申告書における役員報酬明細

✓個人事業の場合は直近の確定申告書

✓被保険者記録照会回答票

✓健康保険組合発行の資格証明書

神奈川県等、一部の審査庁では専任技術者が代表取締役である場合には健康保険証の写しを求めない

兵庫県の場合不要(要確認)

 

【特例】兵庫県も?

とび・土工工事業の実務経験が8年以上+左記の経験期間と重複しない土木工事業の実務経験が4年以上

この場合10年以上のとび・土工工事業の実務経験がは必要ありません。

 

とび土工工事業に関わる学歴について

指定学科の学歴がある場合10年実務の期間が短縮されます。

とび・土工工事業の場合は土木工学又は建築学に関する学科が該当します。

卒業したその学科が大学の場合、卒業後3年以上の実務経験、高校の場合は5年以上の実務経験で本来10年必要な実務経験の条件はクリアとなります。

 

【土木工学】(とび土工工事業の建設業許可をとる!工事内容や要件を解説 | 建設業専門のストレート行政書士事務所 (kensetsukyoka.tokyo)より

開発科、海洋科、海洋開発科、海洋土木科、環境造園科、環境科、環境開発科、環境建設科、環境整備科、環境設計科、環境土木科、環境緑化科、環境緑地科、建設科、建設環境科、建設技術科、建設基礎科、建設工業科、建設システム科、建築土木科、鉱山土木科、構造科、砂防科、資源開発科、社会開発科、社会建設科、森林工学科、森林土木科、水工土木科、生活環境科学科、生産環境科、造園科、造園デザイン科、造園土木科、造園緑地科、造園林科、地域開発科学科、治山学科、地質科、土木科、土木海洋科、土木環境科、土木建設科、土木建築科、土木地質科、農林土木科、緑地造園科、緑地科、緑地土木科、林業工学科、林業土木科、林業緑地科、農業開発科、農業技術科、農業土木科、森林工学科、農林工学科、農業工学科

類似学科については、学科名の末尾の「科」「学科」「工学科」は、他のいずれにも置き換えが可能

「森林工学科」「農林工学科」「農業工学科」「林業工学科」については、置き換え不可

【建築学】

環境計画科、建築科、建築システム科、建築設備科、建築第二科、住居科、住居デザイン科、造形科

【上記の類似学科名に記載がない学科】

卒業証明書とあわせて履修証明書や成績証明書など取り寄せ、どのような内容の学習をしたかを提示して事前に審査庁に相談すると個別相談により指定学科とみなしてもらえるケースもあります。

 

専任技術者資格を満たす要件について≪登録土工基幹技能者≫

登録機械土工基幹技能者講習の概要 | 社団法人 日本機械土工協会 (jemca.jp)参照

 

とび・土工工事業の登録基幹技能者の資格のうち、登録土工基幹技能者講習を実施する協会が令和元年度に登録が許可されました。

この講習修了者は登録土工基幹技能者資格を取得することができます。

受講要件(以下全て該当すること)

・土工工事に関し、「とび・土工工事業」又は「土木工事業」について、単一の業種で10年以上の実務経験があること

・同業種で3年以上の職長経験があること

・下記の公的資格があること。

 

公的資格一覧(A群もしくはB群の資格を有すること。)

A.1つの保有で受講可能
①  優秀施工国土交通大臣顕彰者及び旧建設大臣顕彰者(土工)
②  青年優秀施工者土地・建設産業局長顕彰者(土工)
③  1級建設機械施工技士 もしくは 2級建設機械施工技士
④  職業訓練指導員
⑤  発破技士 もしくは 火薬類取扱保安責任者
⑥  地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習

 

B.2つ以上の保有で受講可能
①  地山の掘削作業主任者技能講習
②  土止め支保工作業主任者技能講習
③  型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習
④  足場の組立て等作業主任者技能講習
⑤  コンクリート破砕器作業主任者技能講習
⑥  はい作業主任者技能講習
⑦  車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
⑧  不整地運搬車運転技能講習
⑨  高所作業者運転技能講習
⑩  フォークリフト運転技能講習
⑪  小型移動式クレーン運転技能講習
⑫  玉掛け技能講習
⑬  ガス溶接技能講習

 

 

講義・試験

600分(10時間)の講義と60分の試験を2日間で行います。

試験は20問出題され、正答率が6割以上の方のみ修了となります。

 

講習修了書の交付と登録土工基幹技能者資格の取得

講習の受講修了者に対し、協会から「登録土工基幹技能者講習修了証」(以下「講習修了証」)を交付することにより「登録土工基幹技能者」資格を取得します。

なお、講習修了証の有効期間は、5年で別途更新講習等を行います。

 

登録土工基幹技能者資格の効果

・建設キャリアアップシステムの技能者評価でレベル4(最上位)

・経営事項審査で技術力(z)評点3点が付与

・総合評価落札方式での評価

・主任技術者要件として位置づけ(とび・土工工事業のみ)

 

この登録土工基幹技能者資格は10時間の講習受講と60分の試験で取得できます。

一方、例えば登録鳶・土工基幹技能者の場合ですと、受講資格に①とび一級技能士、②1級または2級建築施工管理技士、③1級または2級土木施工管理技士との資格をもっていること、と少しハードルがあがります。

もし専任技術者でお困りならばこの登録土工基幹技能者を検討されたらいかがでしょうか。

 

まとめ

とび・土工工事業は、建設業許可の中でも取得される会社が多い許可業種です。

工事の内容によって、とび・土工工事業になるのか、他の工事になるのか判断が難しいところもあります。

「よくある誤解」に記載した内容は本当に誤解されておられる方が多い内容です。許可の取得時にはどのような工事を請け負う予定なのか、その工事内容はどの許可が必要なのか等、よく検討された上で許可申請をするようにしましょう。

また、専任技術者がもっている資格にも注目され、取得可能な許可をとることで業務の幅を広げることもできます。

建設業許可の取得には多くの書類を作成し、様々な要件をクリアする必要があります。

建設業許可取得業務を専門にしている行政書士に相談・依頼されるのも時間、労力の負担が軽くなりますのでお勧めします。


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