経営業務の管理責任者が欠けたときは?
日付:2016年03月21日
カテゴリ:実務の中での気づき
「経管であった社長が亡くなったんだけどどうしたらいい?」という相談がありました。
社内に経営業務の管理責任者の要件を満たしている取締役がいる場合は、「変更届出書」(様式第22号の2)により、2週間以内に変更の届出をしなければなりません。
要件を満たしている人がいない場合には、経管が欠けたことを「届出書」により届出して「廃業届」を提出します。
しかしながらせっかく取得した建設業許可、経営業務の管理責任者がいなくなったからと言って廃業してしまうと現在請けている業務についても支障が出ますし、今後も500万円(建築一式工事の場合1,500万円)以上の工事を請けられない事態になりますので簡単に「廃業」とすることはできません。
経管が不在になる場合、突然のことが多いのです。
たとえば今回のように原因が死亡の場合や比較的大きな会社で取締役等が短い任期で交代する等。
取得許可業種について、5年以上取締役として登記されている人がいれば、前任者が辞任(退任)して2週間以内に、
- 経営業務の管理責任者証明書(第7号)に、
- 履歴事項全部証明書または閉鎖事項全部証明書(役員欄・目的欄)
- 決算変更届(控え)、工事契約書、注文書、見積書、請求書、元帳等
- 許可通知書、許可申請書(控え)等
- 法人税確定申告書、同役員報酬明細
- 健康保険被保険者証、社会保険被保険者記録照会回答票
等添付書類を添えて許可行政庁に届出します。
上記添付書類は、該当取締役の状況により異なります。
外部から要件を満たす人を招く場合は、取締役に就任させるとともに社会保険に加入後、「経営業務の管理責任者」に就任してもらいます。
この時、証明者は、証明しようとする期間、新しい「経営業務の管理責任者」が在職していた法人の代表者または個人事業主でなければならず、法人の実印、その個人事業主の実印を押してもらう必要があります。印鑑証明書の添付も求められますので、事前に確認が必要です。
正当な理由によりこの方法によることができない場合は、お問い合わせください。
経営業務の管理責任者が法人の役員である場合は、申請時点では常勤でなければなりませんが経営業務の管理責任者としての必要経験年数の期間は、非常勤であっても認められる許可行政庁もあるようです。
兵庫県は、非常勤の期間は認められせんので、必要経験年数の期間も常勤であったことを証する健康保険被保険者証、社会保険被保険者記録照会回答票等の添付が必要です。
畠田孝子行政書士事務所では、不測の事態に備えて役員の中に要件を満たすものを複数確保しておくことを勧めています。
特に1人取締役の社長には、社内にお子さん、奥さん、娘婿さん等いらっしゃるときは取締役に入れてもらい、経管になれる人を今から確保して、事業がスムースに承継できるよう、ことあるごとにお話するようにはしています。
許認可関係のスムースな事業承継ができるよう、不足な事態に備えて許可要件だけは日ごろから押さえておきましょう。
役員以外にも経営業務の管理責任者になれる立場の人はいます。
こういった経験はなれるのかどうかの、質問、お問い合わせは、遠慮なくどうぞ。