特定建設業の財産要件とは

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特定建設業の財産要件とは

日付:2016年02月27日
カテゴリ:実務の中での気づき,建設業の基礎知識

過去に1回だけ、特定建設業の更新時に「財産要件を満たしていない!」事態に遭遇しました。でも、無事に更新できました。条件付き許可ですけどね。

 

一般建設業許可の財産的基礎の確認は、新規許可申請時と初めての更新を迎える前の業種追加等の許可申請時に500万円の残高証明を求められるくらいですが、特定建設業許可の場合は、5年に1度の更新時に財産的基礎が満たされている必要があるので、更新直前の決算の時は、「特定建設業の財産要件を満たしているか」には気をつけなければなりません。

 

特定建設業許可は下請け業者の保護や、より適正な施工の確保のために設けられている制度で、一般建設業許可業者に比べて大規模な建設工事の支払いに耐えられるよう、自己資本の充実が求められています。

そのため、特定建設業許可を維持するには下記要件をすべて満たすことが必要です。

①資本金額が、2000万円以上あること

②自己資本額が4,000万円以上あること

③欠損金額が資本金の額の20%以内であること

④流動比率が75%以上であること

 

③、欠損の額とは、法人の場合、

マイナスの繰越利益剰余金+資本剰余金+利益準備金+その他利益剰余金(繰越利益剰余金を除く)の金額となります。これが資本金の20%以内であること。

繰越利益剰余金がプラスの場合は要件を満たしているので、問題ありません。

④、流動比率とは流動資産/流動負債×100

 

それでは、実際の数字で見てみましょう。
2016-02-27 21.13.11-1

① 資本金の額を 38,000千円 、

② 自己資本額=純資産合計 12,428千円 、

④ 流動資産 7,421千円、流動負債 510千円

③ 欠損金額は -25,571千円、

であれば、資本金38,000千円の20%は7,600千円

-25,571千円ははるかに20%以上ですので、要件を満たしていないということになります。

④ 流動資産(7,421千円)/流動負債(510千円)×100=1455%

よって、上記財務状況では特定建設業許可の財産要件を満たしていません。

満たすためには、

増資をして②の自己資本額を40,000千円以上にすること。そうすると繰越利益剰余金も+になるので特定建設業の財産要件を満たすことになります。

 

更新直前決算の後、上記のような状況であれば更新は全くできないとは言い切れませんが、決算後のタイミングや、どうしても特定許可がないといけない理由、いくつかの困難な条件をクリアして、やっと条件付き許可が得られるかもしれないというところです。通常であれば、いったん一般許可で更新してその後増資や決算期の変更等で特定許可建設業を取り直します。

決算変更届は決算後4カ月以内に届出されていることが必要です。

今回の条件付き許可は、もし決算変更届を4カ月以内に届出できていなかったらおりていなかったと言われました。

 

更新時期の直前決算で特定建設業の要件を満たさないことがわかったら早めにご相談ください。
あと××日早かったら×××ができたのにということもあります。
そうなる前に、決算前にご相談いただくのが一番なんですけどね。


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