建設業許可取得後の決算変更届の提出はとても重要
日付:2016年11月18日
カテゴリ:建設業の基礎知識
決算変更届は営業実績報告書の意味を含んでいる
建設業許可を取得すると、取得した許可の範囲でより大きな工事を請け負う事ができます。当然、大きな工事を請け負えば実績は増えますし、収益の部分でも財務面で大きな変動が発生します。企業としての年間実績の締め括りは年度末会計として計上しますが、許可を取得した場合には、財務面の変動を変更点とする形で年間実績の報告を行う義務が発生します。
決算変更届という名前から、実績無しの場合には報告の必要が無いのかと言えばそうではなく、事業年度終了後に提出が必要になるものです。提出する書類には、法人の納税証明書も含まれる為、順序としては先に税申告を行った後に取り組む手続になります。つまり、事業年度終了後には税務申告の他に年間実績を報告する提出先が1つ加わる事になります。
決済変更届は提出期限に注意が必要
建設業許可取得後の義務になる決算変更届の提出は、期限が4ヶ月と長くなっています。これは年度切替後に行う税申告の手続が長期に及ぶ場合を考慮しています。会社の規模にも左右されますが、年度末会計から税務面での申告を完了する迄は2ヶ月前後掛かる企業の場合、決算変更届の提出期限の前半2ヶ月を費やしてしまいます。
この場合、後半の2ヶ月が提出迄の残り時間になります。この為、税申告の手続を素早く完了させる事ができれば、変更届の提出に掛かる書面と資料の作成にも余裕が生まれます。決算変更届は様式の規定がある為、税申告の際の記述をそのまま活用する事ができません。又、様式規定も変更される場合があるので、税申告の書類作成と平行して準備を行う場合には事前の確認も必要です。
決算変更届の提出を怠った場合のデメリット
決算変更届を提出しない、又は忘れてしまった場合には、建設業法第50条の中にある罰則規定に従ったペナルティを受けます。しかし、決算変更届の中に納税証明書の提出が含まれている事から、未提出の場合には対象年度での実績を評価する事ができない事を理由として、取得済み許可の変更を受理してくれないだけでなく、追加の許可の申請も拒否されてしまいます。新規案件を請け負う為に追加の許可が必要となった場合には、この事が特に大きなデメリットになります。
又、建設業許可は閲覧請求により、取引先等へ一定の情報が開示される事になっています。未提出の場合は此処に本来出る筈の情報が記録されていない為、業務状況を確認する為の閲覧や情報の開示があった場合には不利になってしまいます。反対に、確実に提出を行っていれば、取扱業種を間違い無く取り組んでいたという記録が入ります。これは事業実績確認の資料にも繋がり、事業の健全性を評価する為にも必須となるものです。