「土木一式工事」「建築一式工事」とは

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「土木一式工事」「建築一式工事」とは

日付:2016年03月12日
カテゴリ:実務の中での気づき,建設業の基礎知識

一式工事とは、元請負人が自ら総合的に企画、調整及び指導(①施工計画の総合的な企画、②工事全体の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理、③工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理、④下請負人間の施工の調整、⑤下請負人に対する技術指導、監督等)のもとに土木工作物や建築物を建設する工事を指します。

すなわち、土木一式工事および建築一式工事は、他の26(6月1日より27)の専門工事とは異なり、原則として元請の立場で総合的なマネジメントを必要とし、かつ以下に該当する工事となります。

ア 2つ以上の専門工事を有機的に組み合わせて、社会通念上の独立の使用目的がある土木工作物又は建築物を造る場合

イ 必ずしも2つ以上の専門工事が組み合わされていなくても、工事の規模、複雑性からみて総合的な企画、指導及び調整を必要とし、個別の専門的な工事として施工することが困難であると認められる工事  (単に複数業種を請負うだけでは不可)。

 

例えば、トンネル工事,橋梁工事,ダム工事,護岸工事などを一式として請負うものは土木一式工事に該当しますが、そのうちの一部のみの請負は,それぞれの該当する工事の許可が必要です。

発注元が「土木一式」で出しているからといって土木一式工事にその工事が該当するとは限りません。

 

建築一式工事は、原則として、建築確認を必要とする新築工事,増改築工事であることを目安に考えてください。

個人住宅を全部請け負う場合は、建築一式工事の許可があれば請負うことができますが、大工工事や左官工事、内装工事などの部分的な専門工事のみを請負う場合は、建築一式工事の許可では対応できませんので、別途大工工事業、左官工事業、内装仕上げ工事業の許可が必要となります。

 

H26.12.25から適用の国土交通省「建設工事の種類」、「建設工事の例示及び区分の考え方」の建築一式工事の第5欄建設工事の区分の考え方に、下記が明記されました。

ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は「消防施設工事」ではなく、建築物の躯体の一部の工事として「建築一式工事」又は「鋼構造物工事」に該当する。

 

「土木一式工事」「建築一式工事」の許可は「土木系」「建築系」のオールマイティな許可ではありません。
その許可で500万円以上の専門工事を請負うことはできないのです。

 

最近「建築一式工事の許可が取れないのなら許可は要らない!」とまでおっしゃるご相談者さんが続きましたが、今までの工事の内容を伺ったところ「内装仕上げ工事」にしか該当しないことがわかり、いずれの方にも納得していただきました。
あるご相談者さまは1級建築施工管理技士の資格をお持ちでしたが、経営業務の管理責任者の経験が5年ぎりぎりでしたので、あと2回の確定申告を待って業種追加で「建築一式工事」を許可申請予定です。


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